徒然なるプリン日記

徒然なるままに、日暮し、プリンにむかひて、こころにうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくります。「あなたの5分に彩を」をモットーに

「鼻につく」そんな文章を書きたかったんだ。~全力ハルキ~

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「鼻につく」

鼻につくという言葉は、うっとうしくて嫌な感じがする、どうも気に入らない(参照:weblio)

という時に使う言葉ですね。

 

今回はそんな「鼻につく」

とは関係ありませんが

「鼻につく」話を、お楽しみください。

大好きなとある人の模写です。

ただ鼻毛の話したかっただけですが

鼻毛のことでこんなに字数使ったのは

業界初かもしれません。

いい感じにくるでしょ。

 

「鼻」

 

「人は人を見る時、鼻から見るの」

以前僕が付き合っていた

年上のガールフレンドの口癖だった

「本を読むときに表紙からみるようにね」

 

僕はおどけた表情で「そうかい」とだけ答え

ビージーズの「ニューヨーク・マイニング・ディザスター1941」

を流した。時間にして5分だろうか。

いや、もっと長かったかもしれない。

少なくとも僕にはそう感じた。

 

その日は雨だった。

普段なら今頃は散歩に出ている時間だ。

その日はどうしてもそんな気分になれなかった。

散らかった部屋の隅にある回転式の椅子に

腰掛け、ふと視線を上げると

彼女もこちらを見ていた。

 

そんな日々が一年も経たないうちに

彼女は忽然と姿を消した。

「人は人を見る時、鼻から見るの」

の言葉を僕の中に残して。

まるで、冷蔵庫の中の

忘れ去られたキャベツのように。

 

***********

 

「・・・以上、今日のニュースでした」

というアナウンサーの声で

その日はふと目覚めた。

ぼんやりとした頭で、部屋を見ると

僕は、無機質なインテリアの出張先のホテルにいて

昨日消し忘れたテレビのニュースがやっていた。

「やれやれ」

そう呟いて僕は、顔を洗いに

洗面室にむかう。

今日もまた商談だ。

何度目かは分からないが、

意味のない作り笑いを浮かべ

いつも通りの商品説明をする。

もう、うんざりだ。

 

そういえば、昨日、会食をした男は

何故僕の顔をじろじろと見ていたのだろう。

そんなくだらない考えをしながら

鏡の前に立った。

 

鏡は大きくはなくーーといっても、

僕の上半身が十分に映るーー、

その瞬間、何故か

あのガールフレンドの言葉を思い出した。

「人は人を見る時、鼻から見るの」

 

ふと見上げたそこには

一筋の黒い光が見えた。

ーーー光といっても

本当に光っているわけではないーーー

それを凝らしてみると

昨日の男がしきりに顔を

覗き込んできたわけと

ガールフレンドの言葉が

何故耳に残っていたか

すぐにわかった。

 

「やれやれ」

そう言って僕は

鼻につく

その物体を

引き抜いた。

 

 

「鼻につく」※全てフィクションです